テープおこしのプリンシプル2
専門業者のテープおこしでは、発言を話したままではなく、用途に合わせて整理してお届けする方式がほとんどです。
たとえば、官公庁の会議のテープおこしでは、「まあ」「あの」「ちょっと」などの冗語(フィラー)を割愛することはもちろんのこと、もう少し立ち入って文章を整理しています。というのも、通常の人の発言では、フィラーなどのいわゆる冗語だけではなく、主語と述語の不一致や修飾語と被修飾語の位置関係が適切ではないことがしばしばあるため、発言をそのまま文字化しても読める文章にならないためです。
アドレスではそうした若干の整文処理を含めた仕様をスタンダードとしています。
とはいえ、他方では、発言をフィラーから言い間違いまですべて文字化することが必要なケースもあります。こちらの例では、会話分析などの学術的な用途や裁判資料としての用途が挙げられるでしょう。もちろんそうした用途にもしっかりフィットする文字データを作成するのも専門業者の実力です。
実は人の発話には思ったよりも「えっと」などの冗語が挟まれており、実際の会話の最中では私たちはほとんどの冗語を聞き飛ばした上で相手の発言を理解しています。ですから、文字おこしの最中でも冗語はうっかりすると聞き逃しかねません。そうした冗語まで一言一句再現するのは何度も聞き直しが必要ですので骨が折れますが、こうした依頼にも丁寧な仕事でお応えしています。
用途にフィットさせるのが、アウトリソースとしてのテープおこし。
シリーズ「テープおこしのプリンシプル」では、テープおこしの専門業者の立場からテープおこしの実体についてご紹介します。
*プリンシプル(principle):原理、原則、行動指針の意。