アドレスの本拠が置かれる金沢は、旅行代理店の人気観光地調査でいつも上位にランキングされるザ・観光地です。今回は「何でもおすすめ!」の特番として、金沢のおすすめ観光スポットについてご案内します。おすすめスポットの選考については、アドレス社員の厳正なる投票(※注1)によりおすすめ票を集計し、得票数の多いランキング上位となった五つのスポットを選び出しました。金沢で生活をおくる者が観光者のために選んだスポットのランキング、さて結果は如何に。なお、集計結果は、2位に三つのスポットの得票数が並ぶ混戦となりました。
また上位5スポット以外に、熱心な推薦コメントがあったところもあり、「番外」として二つの観光スポットも追加でご紹介しています。何度も足を運んできた人にとっても金沢の面白い横顔を見つけられるかもしれません。
では、おすすめ5位から1位へのカウントダウンでご紹介します!
第5位 金沢城公園 (17票)
金沢城の天守閣は江戸初期に落雷で失われ、藩政期を通して再建されず、その後も復元されることがなく今日にいたっている。そのため、大坂城や姫路城のような「お城」のイメージはないが、そこは全国で断トツ一番の石高・百万石を誇った加賀藩の城郭跡。天守は無くても、平成に入って復元・改修されている城門や櫓(やぐら)などの構造物は美麗にして雄壮。石垣の上にそびえ立つ建造物群が城郭内をひしめく往時の姿を想像してはいかが?
<アドレス社員の推薦コメント>
“NHKの番組ブラタモリでも紹介された石垣を見にきてほしい!”
“夕方が気持ちいいです♪”
“加賀藩時代のまま現存する「石川門」は名実ともに金沢のシンボルです。”
“三十数年前まで今の金沢城公園の地には、金沢大学のキャンパスがありました。その頃、大学の建物以外で城内にあるものと言えば三十間長屋と植物園ぐらい。植物園は本丸などの跡地が明治期以降に自然のままに保存されたエリアでした。植物にはさっぱり興味がありませんでしたが、物理の実験で地磁気を測るには建物の影響が少ない所でというので植物園を通り抜けて石垣のそばまで行ったことが想い出です。今日では菱櫓、鼠多聞橋、玉泉院丸庭園など、江戸時代の建物や庭園が復元あるいは創設されていますので、私もじっくり見てみたいと思います。”
第2位 近江町市場 (18票)
江戸時代から続く由緒正しい市場。市場が観光名所になるのも不思議な気がするが、やはり推される一番の理由は新鮮な魚介類の店が所狭しと並び立ち、売り子の声が響きわたる活気が好かれるため(感染症の時期では静かになっているが)。 新鮮な魚貝の多くは日本海の産となり、太平洋側の海産物を見慣れている人には見て回るだけでも面白いはず。知らない魚についてお店の人に尋ねると、おろし方から美味しい食べ方まで本当に気さくに親切に教えてくれる。
<アドレス社員の推薦コメント>
“売り物の目玉は、夏は新鮮な能登産の大粒なイワガキ、秋は脂ののったノドグロやサワラ、そして冬は何といってもズワイガニ。ズワイガニは、こちらでは美味しい県産のものを「加能ガニ」とブランド化して売り込んでいます。目玉商品以外にも季節の新鮮な魚が氷の上に寝かされている様子を見るのも楽しい。”
“浜焼きして飲めるところがあったりして楽しいです”
“日本海、加賀、能登の珍しい魚や野菜に出会える、料理好きをワクワクさせてくれる市場です。”
“旅行に行ったときにその土地でどのようなものが食べられているのかを知るために、市場・道の駅・食料品売り場に行くことが多いです。で、もちろん金沢の市場と言えば近江町市場です。ブラタモリにも紹介された地形や地元の魚・野菜・果物や料理などを見て回るだけでも楽しむことができます。駅からも近いので金沢観光の一番のおすすめです。”
第2位 妙立寺(通称:忍者寺)(18票)
実は隠れたおすすめスポットの一つ。通称「忍者寺」といっても忍者の隠れ家だったわけでもなく、“Ninja”のアトラクションが行われているわけでもない。創建は江戸時代の前期でやはり古い来歴があるのだが、話によると、藩政期には他藩や幕府に対する金沢城の防衛拠点の役割を与えられていたらしい。観光スポットに推される理由は、その特殊なつくりにある。外観は普通のお寺なのだが、望楼があり、隠しフロアや隠し部屋、落とし穴もあり、武者だまりがあったりと不思議な仕様。そういえば、織田信長が最期を迎えた本能寺も濠や高い塀がめぐらされて防衛機能があったというから、そのような用途だったのかもしれない。
<アドレス社員の推薦コメント>
“いつ行っても楽しいです。数回目でも新たな発見があったりするので、「前に一度行ったな」と思わずに訪ねて欲しい場所です。”
“落とし穴や隠し階段などの仕掛けが楽しい。”
“忍者とは関係がないらしいです。からくりが本当にすごいので見学の際は案内の列からはぐれないように注意してください。迷います!”
第2位 金沢21世紀美術館 (18票)
2004年開館の現代美術を中心に紹介する美術館。現代美術といっても意味不明だったり、取っつきにくいわけではなく、むしろこの美術館の特徴は、万人に開かれた・体験重視のコンセプトでつくられていること。「開かれた」といえば、一般に美術館の建物は収蔵品を護るための保管庫的なイメージがあるが、この美術館は外から館内が普通に見えてしまうガラスづくりで、そもそも敷地を外部と区切る塀もフェンスもないほどオープン。アートはアクセスフリーということなのかもしれない。
<アドレス社員の推薦コメント>
“「雲を測る男」という作品がおすすめです。”
“いつもおもしろい展示をやっています。”
“面白写真がたくさん撮れます。”
“インスタ映えするおしゃれなスポットがたくさんあります。特におすすめなのは「スイミング・プール」と「カラー・アクティヴィティ・ハウス」です。「スイミング・プール」は上から見下ろす分には入場料は不要ですし、「カラー・アクティヴィティ・ハウス」は屋外の交流ゾーンにあり、誰でも気軽に立ち寄ることができます。”
“常設展示は分からないが、魅力的なイベントが多い”
“この美術館自体が現代アート。金沢の歴史ある街の中で、古き良きものと、新しいものが調和していますね。”
“撮影可の展示物が多く、インスタなどでもよく紹介されているので、関東に住む大学時代の友人を連れていった際は「ここ、見たことある!」ととても喜んでいました。”
第1位 ひがし茶屋街 (23票)
幕政期から明治の初めまで日本有数の大都市だった金沢。茶屋とは、そんな金沢の都市文化の一端を担った、言ってみればセレブな大人の社交場。芸妓らが三味線を奏でて謡い旦那衆をもてなす茶屋遊びの場所だった。そんな伝統文化がひがし茶屋街では今日も息づいている。
見どころは、伝統的建造物群保存地区として保存される茶屋様式とも呼ばれるまちなみ。きれいなまちなみの中に土産品や工芸品のお店、美味しい料理やお酒の出る店も豊富にあるため、ふらふら歩いてお店をのぞき見るのも楽しい。新旧の金沢の魅力を発信するエリアでもある。
<アドレス社員の推薦コメント>
“伝統的なまちなみですが、カフェ、バー、雑貨店、レストランなど、いろんなジャンルのお店に出会えます! 見つけにくいお店もありますが宝探し的に楽しんで欲しいです。”
“観光スポットとしては月並みですがいい感じです。”
“小さい頃は大伯母が住んでいたのでよく遊びに行きました。浅野川の鯉流しがステキです。”
“お土産を選べるお店がたくさんあるまちなみがキレイなので、歩いているだけで何だか心が落ち着きます。お目当てのものや目的がなくても、ゆっくり歩いていると何か新たな発見があるように思います。”
“金沢の風情たっぷりの茶屋街、ここに来るとまるで旅行に来たかのような気持ちになります。”
“私がおすすめしたいのは、手作りの指輪専門店「aisorashi」です。好きなデザインでサイズもぴったりの指輪を職人がその場で作ってくれます。”
“ひがし茶屋街は昼ももちろん良いのですが、私が好きなのは夜です。夜のひがし茶屋街は意外と人が少なく、混雑していると感じたことはあまりありません。夜も和食、お寿司、焼き鳥、洋食、フレンチ、バー、ワインバーなど、いろいろなジャンルの店が営業しています(予約できる店は予約してからがおすすめです)。夜闇の中、柳がそよぎ、真っすぐ続く石畳が軒灯でぼんやり橙色に照らされる様はとても幻想的で、時に路地裏に迷い込みながら、これから行こうとする店の明かりを探していると、何か不思議な、楽しいことが起きそうな気持ちになります。また、金沢は雨が多いですが、夜のひがし茶屋街は雨もよく似合います。濡れた石畳がさらに風情を醸し出すので、観光日が雨でもラッキーです。
ひがし茶屋街エリアの浅野川大橋を挟んで向い側には主計町(かずえまち)茶屋街もあります。川沿いに木造の店や宿が立ち並び、その裏には、かつて旦那衆が人目を避けて茶屋街に繰り出すために通った「暗がり坂」と呼ばれる坂があります。文豪・泉鏡花の通学路でもあったようです。ひがし茶屋街・主計町茶屋街に出掛ける際には、この暗がり坂から行ってみるのも面白いかもしれません。”
<番外1>中村記念美術館
茶道具などの蒐集家である中村栄俊氏のコレクションを引き継いだ金沢市の美術館。収蔵品は茶道具のほか、絵画、書、古九谷、加賀蒔絵などにわたる。なかには重要文化財も。ロケーションは兼六園など往来の多い観光スポットから遠くないのだが、大通りから少し小道に分け入る位置になるため、喧噪を離れ静寂に包まれる。ひっそりと集められた古い日本の美が、訪れる人の心をなぐさめてくれる。
<アドレス社員の推薦コメント>
“兼六園と21美、ひがし茶屋街等々、既にメジャーな観光地あまたあれど、お茶の文化が盛んな金沢ならではの茶道具の名品が見られるのが「中村記念美術館」です。敷地内には茶室もあり、折々に茶会が開かれています。毎年6月には「百万石まつり」に合わせて当日参加可能な「百万石茶会」もあります。金沢リピーターの皆様、次回はおまつりに合わせて来沢されてはいかがですか?”
<番外2>泉鏡花記念館
金沢は室生犀星、徳田秋聲、井上靖、五木寛之などゆかりの文芸家との縁を大切にしている。中でも戦前まで幻想的な作風で天才とまで謳われた泉鏡花については、金沢市によって「泉鏡花文学賞」が創設されるなど、特に愛されつづけて久しい。鏡花自身も青年期まで過ごした金沢に思い入れが深かったようで作品中にも街の様子がしばしば描かれている。そんな鏡花と昔日の金沢をうかがい知れるのが、ここ泉鏡花記念館。
<アドレス社員の推薦コメント>
金沢市出身の文豪・泉鏡花といわれても、文学に全く興味がない人も多いと思うので、そんな人でも楽しめる理由を三つ紹介します。
オススメ理由その1:異常過ぎる潔癖症
鏡花は潔癖症で有名だったらしく、たとえばお菓子は手に触れてた部分は捨てる、常に煮沸消毒用のアルコールランプ携帯、畳は汚いからお辞儀は手の甲が下、ネズミ対策で食器棚を天井から吊す・・・などなど、度を超えたものだったそうです。彼が実際に使っていた道具や家具が展示されているので、しっかりめにどん引きできます。コロナ禍でもそこまでしないだろうという徹底っぷりから、ここ最近は企画展「鏡花と衛生」や講座「衛生と感染症と栄養学からみた鏡花」など、ご時世ぴったりな企画も催されていたそうです。
オススメ理由その2:カワイイ☆ウサギグッズ!
「向かい干支」とは、十二支を円に並べたときに、自分の干支の向かい側くる干支のことで、例えば子(ねずみ)だったら午(うま)がそれ。自分の向かい干支のグッズを集めるとお守りになると母から教えられた鏡花(酉年生まれ)は、生涯にわたってウサギグッズを集め続けたそうで、文学は一切関係なくウサギちゃんの置物がたくさん並べられています。
オススメ理由その3:オリジナルミュージアムグッズ
大正時代に出版された鏡花作品のハードカバーの絵は、実はとってもおしゃれ。その装丁をそのまま再現したようなクリアファイルは買うしかない商品です。もちろん、ウサギをあしらったロゴのオリジナルグッズもシックでいい感じで、中でもマスクは感染対策への本気度をアピールできそう。
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以上、アドレス社員の投票による「おすすめ金沢の観光スポット 5選」でした。やはり金沢観光としてよく知られた「ひがし茶屋街」が1番。とはいえ、ひがし茶屋街に限らず、おすすめ度が高いスポットは、コメントにも表れているように金沢在住の人も楽しめるところばかりになっています。そんなスポットこそ遠方から訪れる人も本当に楽しめるところになるのではないでしょうか。本記事を読んで金沢に関心を寄せていただいたり、ちょっとした空想の旅に誘われた方がいらっしゃれば嬉しく思います。ぜひ金沢にお越しください(注2)
※注1 おすすめスポットの投票方式=社員1人にそれぞれ10票の投票権が与えられ、あらかじめ選出された50カ所ほどの観光スポットに対して自身がおすすめしたいスポットに1~10票を自由に投票する方式。
※注2 金沢にお越しの際には、感染症対策には万全を期すようお願いいたします。